「たおやか」という言葉をご存知でしょうか?
「たお」とは、「たわむ」と同じ意味を持ち、枝などがしなやかに曲がる様子を表す言葉です。
曲がるけれど折れることのないしなやかさ、そして芯に強さをもったことを表しています。
若い時は、自分を曲げられない「信念」の強さのようなものが表立って、
人と摩擦を生じても、それでいい!と思っていました。
年齢を重ねるごとに、曲げられない信条のようなものは確固としてきますが、
一種、「たおよかさ」のようなものが育ってくるように感じます。
どうでもいいことに対しては、「それも有りね」と、たわむことができるのです。
たわむことができる人は、人を尊重し魅力的です。
自分の考えは持っていても、人に対しては温和でいることができる「柔らかさ」に、
本当の強さと、これまで培ってきた自信をうかがい知ることができるのです。
手前味噌ながら、86歳になる母は、姑姑、大姑の3人と同居し、全員を看取ってきました。
誰とでも円満な関係を築き、何でも前向きに捉えるまさにたおやかな女性です。
私もいつか母のように、しなやかさの中に強さを秘めた「たおやかな女性」になりたいと思います。
中国の思想家「老子」も、「硬直したものは砕けやすく、力強いものは転げ落ちる」
と説いたそうです。